中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

過去の展覧会 2019年度

Past Exhibitions 2019

春季特別企画展「歌川国芳の時代-木曽街道六十九次之内を中心に-」

前期:2019年4月4日(木)~5月6日(月・振休)
後期:2019年5月10日(金)~6月9日(日)

 武者絵を力強く描き出したことで知られる歌川国芳。しかし近年では風景画、役者絵、美人画、戯画など、さまざまな画題に腕を振るっていたことにも注目されています。
 本展覧会は当館が誇る国芳の揃物《木曽街道六十九次之内》を中心に、その画業を振り返るものです。本シリーズは、中山道の宿場名から連想される説話や歌舞伎の登場人物を武者絵の様式で描いた全72枚の揃物です。当時の国芳は50代となり、画風に円熟味を増していきます。その他、メ~テレ(名古屋テレビ放送)にご協力いただき、武者絵以外のジャンルの作品も併せて展示します。浮世絵師としてマルチな才能を発揮した国芳の魅力をお楽しみください。


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企画展「うるわしき女たち-広重描く江戸美人-」

2019年6月13日(木)~7月15日(月・祝)

 今や風景画の名手として名高い歌川広重。一方、若い頃は普遍的に人気のあった美人画という分野でも筆を執っており、そのジャンルで大成することを目指していたと伝わります。天保3~4年(1832-33)に刊行した《東海道五拾三次之内》が大ヒットすると美人画制作からは遠ざかっていきますが、名所絵の中に江戸の女性たちを描き出しています。広重の描く美人画は、端正で気品があり、健康的です。立ち姿を描いた作品では、衣装の細部まで手を抜いていません。
 本展覧会ではメ~テレ(名古屋テレビ放送)にご協力いただき、同社所蔵の作品も併せて展示いたします。艶やかな広重の美人画をお楽しみください。


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企画展「水と共に生きる」

2019年7月19日(金)~8月18日(日)

 江戸は「水の都」と言われるほど、水とは切っても切れない関係にありました。江戸開幕以来、それまでは地方の一城下町に過ぎなかった江戸の町は徐々に人口が増加し始め、飲料水の不足が深刻化していきます。そこで家康は町に上水道を整備するよう命じ、特に神田上水と玉川上水は江戸時代を通じて利用されました。また、水の都と言われるゆえんはそれだけではありません。19世紀、江戸の人口は100万人を越え、世界有数の大都市として栄えていましたが、人々の生活を支えるには大量の物資が必要でした。物資輸送で活躍したのは舟運です。全国から集まった産物は、内陸まで張り巡らされた水路網によって江戸の各地に運ばれました。100万都市・江戸を支えたのは、まさに水の力だったのです。
 本展では、浮世絵に描かれた水辺の風景や水中の生き物、また、広重が捉えた水と共に暮らす人々の生活をご覧いただきます。

 

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特別展観「木曽海道六拾九次之内」

2019年8月22日(木)~9月23日(月・祝)

 広重と英泉という幕末を代表する二人の絵師が、江戸と京都を結ぶ二大幹線の一つ、中山道を舞台とした揃物を手掛けたのは、天保6~9年(1835-38)のことです。天保2年(1831)に《東都名所》(通称一幽斎がき東都名所)で風景画の絵師として知られるようになった広重は、天保4年(1833)に発表した《東海道五拾三次之内》(通称保永堂版)の大当たりによって、一躍その名を世に広めました。東海道の次は中山道を。当時の旅行ブームとも相まって、庶民のニーズを満たそうと中山道を描いた揃物の刊行を計画したのは、《東海道五拾三次之内》の版元でもある保永堂・竹内孫八です。その後錦樹堂へと版権を移行させながらも、69の宿場と起点の日本橋を含めた計70ヵ所を描いた大作《木曽海道六拾九次之内》が刊行されることとなりました。
 今回は上記揃物の他、広重の名を受け継いだ二人の絵師の作品も出陳いたします。「風景画の広重」が弟子たちによってどのように継承されていったのか。ぜひ皆さま自身の目で、ご堪能いただければと思います。

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秋季特別企画展「新版画展-浮世絵版画のその後 -巴水・古邨・深水を中心に-」

前期:2019年9月27日(金)~10月27日(日)
後期:2019年10月31日(木)~12月8日(日)

 鈴木春信によって創始されたといわれる錦絵は、明治に突入してもなお、制作され続けていました。一方で、石版や銅版などが普及し、さらには新聞や写真といった新しいメディアが登場します。写実性や速報性に優れたこれらによって浮世絵は生命を脅かされ、日露戦争(1904-05)以降、急速に衰退します。
 そのような状況下、浮世絵の復興を目指した美術商・渡邊庄三郎(1885-1962)が誕生させたのが、「新版画」と呼ばれる多色摺の木版画です。新版画の特徴は何といってもその美しさにあります。とりわけ、木版で摺り重ねることで表現できる深みのある色合いは、新版画ならでは。写真のような極めてリアルな描写でありながらも、写真では表せない温かみが伝わってきます。広重の作品に通ずる構図の捉え方なども見出すことができる新版画には、新しさと共に懐かしさも感じられます。
 本展覧会では、(株)ステップ・イーストに企画協力を賜り、そして(株)渡邊木版美術画舗に貴重な作品を多数お貸出しいただきます。浮世絵が近代に残した木版の伝統美をお楽しみください。

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企画展「ニッポンのえんぎもの」

2019年12月12日(木)~2020年1月19日(日)

 日頃何気なく口にする「縁起がいい」あるいは「縁起が悪い」という言葉。「縁起」とは、仏教用語〈因縁生起〉の略語で、仏教の真理の一つを表す言葉です。そこから、社寺の起源や沿革、由来という意味となり、また広く事物の起源、あるいは物事の吉凶の前兆をも意味します。また、「縁起物」とは、本来社寺の縁起を祝うために神社や寺院が頒布したもの。酉の市の熊手やだるまなどが有名ですが、今ではよい縁起を得られるようにと祈ったり、「ハレ」を祝ったりするためのものも、いわゆる縁起物と言っています。江戸の人々は、身の回りにあるさまざま「縁起物」を大切にしていました。
 皆が知っているものから、普段はあまり気にしないものまで。江戸時代の人々と一緒に、浮世絵に描かれた縁起物を探しにいきましょう。

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企画展「保永堂版 東海道五拾三次之内」

2020年1月23日(木)~2月24日(月・振休)

 歌川広重の出世作にして代表作と名高い《東海道五拾三次之内》(通称、保永堂版)全55図をご覧いただきます。太平の世が続く中、空前の旅行ブームが巻き起こった江戸時代後期。景勝地に富んだ東海道は、伊勢神宮や名所の多い京阪を目指す江戸庶民の間で人気のルートでした。旅への関心が高まっていた当時の人々にとって、東海道を描いた本シリーズは旅のガイドブックであり、また、気軽に旅気分を味わえるアルバムでもあったのです。作品に描かれた旅人たちと共に、東海道の旅をお楽しみください。

 

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企画展「役者とめぐる木曽街道-木曽六十九駅お披露目-」

2020年2月28日(金)~3月29日(日)

 歌川派三羽がらすといわれた広重・国芳・三代豊国(国貞)の3人の絵師は、それぞれ木曽街道(中山道の別名)をモティーフに作品を制作しました。そのうち三代豊国が手掛けた《木曽六十九駅》が2018年度、当館の新規収蔵品になりました。本揃物は、前景に役者、後景に木曽街道の宿場風景を描く構成で、人々は作品に隠された見立を楽しんでいました。
 本展では、全71点揃いを初めて皆さまにご覧に入れます。三代豊国の描く、魅力的な名優たちと共に、木曽街道の美しい景色をお楽しみください。

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