中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

過去の展覧会 2015年度

Past Exhibitions FY2015

春季特別企画展「描かれた東海道 歌われた五十三次の旅」

前期:2015年4月2日(木)~5月10日(日)
後期:2015年5月14日(木)~6月14日(日)

広重が風景画壇で一躍人気絵師となった代表作《東海道五拾三次之内》は、保永堂版東海道とされ、親しまれています。広重は保永堂版以外にも生涯にわたって東海道を描いた浮世絵シリーズを制作し、その数は30余にのぼります。本展では《東海道五拾三次之内》(保永堂版東海道)全55図と、画面に狂歌が配されていることから「狂歌入東海道」と通称される《東海道五拾三次》全56図、2つの揃物を併せてご覧いただきます。前期・後期完全入れ替えを行い、2シリーズ全場面計111図を展示いたします。

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企画展「行書東海道」

2015年6月18日(木)~7月20日(月・祝)

本展では、歌川広重が生涯のうちに数多く描いたと言われる東海道シリーズの中から、画中の文字が行書体で書かれた通称「行書東海道」全55図をご紹介します。他の東海道シリーズと比べ、さっぱりとした軽やかな表現と淡い色彩で描かれた「行書東海道」。名物や風俗が多く描き込まれ、長く厳しい旅のさなかにもその土地でのひとときを楽しんでいる様子が感じられます。旅心をそそる本作品をご覧ください。

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夏休み企画展「冨士三十六景」

2015年7月24日(金)~8月23日(日)

《冨士三十六景》は、広重没後に刊行された全36図(目録を合わせると全37図)の富士山を描いた揃物です。同じく富士山を描いたシリーズで、ほぼ同時期に制作された《不二三十六景》は、全て横長の画面に描かれているのに対し、《冨士三十六景》は全て縦長の画面に描かれています。各図では写生を基にしながらも、広重が晩年に多用した近像型構図を用いて、モティーフを印象的に描き出しています。自然の雄大さと人々の営みとが見事に調査した作品が多く、作品全体には穏やかな空気が流れます。広重の生み出した“富士山のある風景”をご堪能ください。

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特別展観「木曽海道六拾九次之内」

2015年8月27日(木)~9月27日(日)

中山道広重美術館が世界に誇る《木曽海六拾九次之内》(田中コレクション)をご覧いただく年に一度の機会です。渓斎英泉と歌川広重による摺り違い含めた全71図を一挙に展観します。貴重な“雨の中津川”(「中津川」の初摺)をはじめ、旧蔵者 故田中春雄氏が長い年月をかけて収集した優品をお楽しみください。

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秋季特別企画展「ジュディ・オング倩玉 木版画展 美の架け橋 広重・江戸百景との競演」

前期:2015年10月1日(木)~11月3日(火)
後期:2015年11月7日(土)~12月6日(日)

歌手・女優としてはもちろん、木版画家としても活躍しているジュディ・オングさん(雅号ジュディ・オング倩玉)の木版画の世界と歌川広重《名所江戸百景》が時を超えて出会います。
ジュディ・オング倩玉さんの作品テーマは一貫して「日本家屋」と「花」。日本全国の旧家や神社仏閣を自ら取材し、大胆な構図と木版画ならではの力強い線、緻密な彫り、めりはりの利いた色のコントラストが印象的です。
次々と発表される作品は高い評価を得ており、2005年には「紅楼依緑」が特選を受賞するなど輝かしい実績を残しています。
絶妙な構図の取り方やはっと目を引く色使い、表情豊かな季節の表現など、両者の作品を見比べながら、それぞれの作品の魅力をお楽しみください。

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企画展「花鳥風月 広重の世界」

2015年12月10日(木)~2016年1月17日(日)

歌川広重は、季節や天気に伴って刻一刻と変化する自然の情景を見事に捉えました。描こうとする対象物に対する広重の観察力と優しいまなざしは、風景画ばかりではなく、花鳥画や人物を描いた作品にもよく表れています。訪れる美しい季節の中で、人々はそれをどのように享受し、暮らしていたのでしょうか。“広重が描く四季”をテーマに、自然景物や年中行事に焦点を当てて浮世絵作品をご紹介いたします。広重の浮世絵の世界をご堪能ください。

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2展同時開催
企画展「第40回岐阜県移動美術館 東濃ゆかりの画家たち」
企画展「竪絵東海道展」

2016年1月21日(木)~2月21日(日)
「第40回岐阜県移動美術館 東濃ゆかりの画家たち」
岐阜県美術館と共催で岐阜県移動美術館展を開催します。40回目となる本展は「東濃ゆかりの画家たち」と題し、山本芳翠、熊谷守一、前田青邨たちをはじめとする東濃地区出身の画家及び東濃地区にゆかりのある画家や作家を紹介します。岐阜県美術館が所蔵する数々の作品をご堪能ください。

「竪絵東海道展」
広重最後の東海道シリーズである《五十三次名所図会》(通称・竪絵東海道)を全点揃いで展示いたします。広重の晩年作に多く見られる、縦長の画面に俯瞰的な構図で描かれており、「名所図会」の名にふさわしい客観的な眼差しで宿場を捉えているのが特徴です。江戸時代さながら、名所絵を眺めながら東海道の旅を味わってみませんか。

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企画展「国芳 謎解き木曽街道六十九次之内」

2016年2月25日(木)~4月3日(日)
幕末に活躍した浮世絵師・歌川国芳は、駄じゃれやなぞなぞなど言葉遊びを盛り込んだ、ユーモアあふれる絵を数多く描きました。さまざまな画題に筆を染めた国芳ですが、わけても得意としていたのが武者絵でした。本展でご覧いただく《木曽街道六十九次之内》は、中山道(木曽街道)をテーマにした国芳による72枚の揃物です。画中には宿場風景と共に、それぞれの地名から連想される戯曲や伝説に登場する人物が描かれます。迫力ある国芳の武者絵と、ウィットに富む浮世絵の世界をご堪能ください。

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