展覧会の詳細

海(うみ)、馬(うま)、牛(うし)など、“う”の付くものを集めた展覧会です。本展の中心となるのは、歌川広重の手になる「魚(うお)づくし」と呼ばれる揃物で、天保年間(1830-44)に制作されました。当館では天保初期に西村屋与八(永寿堂)から版行された11図と、天保後期に山田屋庄次郎から版行された9図の計20図を所蔵しており、写実的に描かれた魚類と植物の取り合わせが清々しいシリーズです。また、画面上部には狂歌が書き込まれているのも本揃物の特徴の一つで、広重と狂歌師たちとのつながりは先行研究によって指摘されています。浮世絵に描かれた“う”を、楽しみながら探してみてください。
会 期 | 2023年6月22日(木曜日)から7月23日(日曜日) 休館日:毎週月曜日(ただし7/17(月)は除く)、7/18(火) |
場 所 | 展示室2(2階) |
開館時間 | 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで) |
観覧料 | 大人520円(420円) ※( )内は20名以上の団体料金 ▲18歳以下無料 ▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料 ▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料) ▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料) |
関連イベント | ■学芸員による作品ガイド 日時:2023年7月2日(日) 午前10時30分~(30分程度) 場所:展示室2(2階) ■解説ボランティア幽遊会による作品ガイド 日時:随時(要事前予約) |
今月の陳列棚
企画展「うきよえ“う”づくし」より

歌川広重「魚づくし すずき きんめだいにしそ」
大判錦絵 天保年間(1830-44)後期 当館蔵
いずれも夏に旬を迎える魚と植物の取り合わせです。スズキの体には白抜きの網目模様が施されており、うろこの質感がよく表れています。キンメダイは、江戸っ子たちに縁起物として愛されたタイとは別種の魚です。江戸時代の百科事典である『和漢三才図会』や、当時の食材全般を掲載した本草書『本朝食鑑』、また料理書の類いにも掲載されておらず、広重が何を参照してキンメダイを描いたのか、詳らかではありません。なお、本図は昨年度新たに収蔵された作品で、本展が初出陳となります。