中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

東海道をゆく

展覧会の詳細

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 慶長6年(1601)に導入された宿駅伝馬制により、江戸と京を結ぶ東海道には53の宿場が整備されました。庶民の間で旅行への関心が高まると、東海道と中山道を取り上げた道中記『東海木曽両道中懐宝図鑑』や、旅の必需品や心得を著した手引書『旅行用心集』など、旅や地方を題材とした書籍が相次いで出版されます。風光明媚な名所を多数擁する東海道は、浮世絵においても人気の題材でした。東海道物を最も得意とした浮世絵師は、歌川広重でしょう。代表作「東海道五拾三次之内」(保永堂版)をはじめ、生涯にわたり20種類以上もの作品を手掛けました。
 本展では、「保永堂版」を中心とする6種の東海道シリーズから出品し、各宿場や道中を主題とする浮世絵を、当時の旅程になぞらえてご紹介します。災害や病気を退け、幸運を招くとして『旅行用心集』にも登場する神獣・ハクタクと共に、13泊14日の旅に出かけましょう。


会 期
2022年10月6日(木曜日)から12月11日(日曜日)
 【前期】10月6日(木曜日)から11月6日(日曜日)
 【後期】11月10日(木曜日)から12月11日(日曜日)
休館日:毎週月曜日(ただし10月10日は除く)、
    10月11日(火)、11月4日(金)・8日(火)・9日(水)・24日(木)
場 所
展示室1・2(1階・2階)
開館時間 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人820円(660円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料)
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント ■学芸員による作品ガイド
 日時:【前期】10月16日(日) 【後期】11月20日(日) 各日午前10時30分~(40分程度)
 場所:展示室1・2(1・2階)
■東海道旅人探しクイズ―名物編―
 日時:随時(作中の登場人物をワークシートで出題)
 場所:展示室1・2(1・2階)
■解説ボランティア幽遊会による作品ガイド
 日時:随時(要事前予約)


今月の陳列棚

秋季特別企画展「東海道をゆく」より

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歌川広重「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」

大判錦絵 天保4~7年(1833-36)頃 中山道広重美術館蔵

 日本橋は慶長8年(1603)に架橋され、翌9年に五街道(東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道)の起点として定められました。本図は、「保永堂版」から、早朝七つ(4時)、大木戸が開けられたばかりの日本橋の景です。画面中央、参勤交代の大名行列が国元に帰るため、日本橋を渡ってきます。橋のたもとにいるのは青物売りと魚売りです。魚河岸で仕入れた魚を天秤棒に載せた魚売りたちは、急いで道をあけます。厳かに出発した大名行列と共に、本シリーズの東海道の旅も始まります。