中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

双筆五十三次

展覧会の詳細

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会期
2021年2月27日(土曜日)から3月28日(日曜日)
休館日:毎週月曜日
場所
展示室1(1階)
開館時間 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人520円(420円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント 学芸員による作品ガイド
 日時:3月14日(日曜日)午前10時30分~(30分程度)
 場所:展示室1(1階)


 三代歌川豊国(歌川国貞)と歌川広重といえば、江戸時代後期~幕末期に活躍した浮世絵師の中でも、特に人気のあった絵師たちです。嘉永6年(1853)に刊行された番付には、同じく歌川派の国芳と共に「豊国にかほ、国芳むしゃ、広重めいしょ」とうたわれました。三代豊国、広重、国芳の3人は、弘化年間(1844-48)以降、しばしば共同で作品を制作、発表し、特に三代豊国と広重は数多くの合筆作品を残しています。今回ご覧いただく《双筆五十三次》は、前景の人物画を三代豊国が、背景のコマ絵を広重が担当しています。一人もしくは二人一組で描かれた人物の表情は皆生き生きとしており、また役者絵を得意とした三代豊国らしく、いくつかの図には役者似顔で描かれた人物も見られます。一方、広重の手になるコマ絵は、俯瞰構図を多く用いてあっさりと仕上げられており、前景の人物を邪魔しないための配慮がなされています。本揃物は、二人の絵師の特長を生かしながらも調和の取れた良品といえます。
 歌川派の絵師たちが一世を風靡した時代、中でも三代豊国と歌川広重という二大人気絵師による東海道シリーズは、さぞかし世間の人々を喜ばせたことでしょう。このたび当館初披露となる豪華コレボレーション作品を、皆さまもどうぞお楽しみください。

企画展「五十三次名所図会」より

今月の陳列棚

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歌川豊国(三代)・歌川広重《双筆五十三次》「大磯」

大判錦絵 安政元年(1854)7月 当館蔵

 本図は、江戸時代に広く知られていた曽我兄弟の仇討ちを題材としています。描かれているのは、千鳥模様の着物を着た曽我兄弟の兄・曽我十郎祐成と、彼の恋人である大磯の遊女・虎御前です。祐成は、江戸時代中期に活躍した3代目沢村宗十郎似顔となっています。背景に目を転ずると、右手にはこんもりとした高麗山、遠景には歌枕にもなっている小余綾の磯が見えます。コマ絵の左下に描かれているのは、大磯の名所の一つである鴫立沢の西行庵(鴫立庵)です。