中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

奇想天外名所図会-絵師 広重の歩み(後期)

展覧会の詳細

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 中山道広重美術館は、平成28年9月に開館15周年を迎えました。その記念すべき年に3カ月に渡って開催される秋季特別企画展「絵師 広重の歩み」では、改めて広重の画業を振り返ります。最後を飾る本展では、広重晩年期の特徴である、縦型の画面に遠近感を強調し、大胆な構図を用いた風景画の名作を公開します。

 迫力ある自然景描写が魅力的な《六十余州名所図会》や絶筆となった《名所江戸百景》、東海道を描いた《五十三次名所図会》など、画業の末期を彩る錦絵をご覧いただきます。また、合わせて出品する肉筆画は、生き生きとした筆遣いや清澄な色彩が広重芸術の奥深さを感じさせます。浮世絵版画と肉筆画、それぞれの魅力をお楽しみください。


会期 2016年2016年9月1日(木)~12月18日(日)
前期:9月1日(木)~10月2日(日) 中期:10月6日(木)~11月3日(日)
後期:11月10日(木)~12月18日(日) ※3期完結、会期ごとに全点作品入れ替え
休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、9月20日(火)、9月23日(金)、10月11日(火)、11月24日(木)
    10月3日(月)~5日(水)、11月7日(月)~9日(水)は展示替えのため休館いたします。

▲2016年12月19日(火)~2017年1月3日(火)までは年末年始休館
  ただし、2017年1月2日(月)はお正月特別開館(当日限り観覧無料)
場所
展示室1、2(1、2F)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人820円(660円) ※( )内は20名以上の団体料金
高校生以下無料


今月の陳列棚

秋季特別企画展「奇想天外名所図会-絵師 広重の歩み(後期)」より

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左)歌川広重「六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波」(当館蔵)

 淡路島と大毛島・島田島の間にある鳴門海峡は、世界有数の潮流の速さを有 します。逆巻く渦潮を画面いっぱいに描いた、迫力のある作品です。うねる海面は藍の濃淡で表現され、飛沫や巌が緻密な線で描かれています。晩年の広重は、大胆な構図と繊細な描写で、表情豊かな自然を描き表しました。

右)歌川広重「近江八景全図 石山ゟ見る」(メ~テレ(名古屋テレビ放送)蔵)

 広重は近江八景をたびたび描いています。本図では琵琶湖の全体を表し、1つの画面に8つの景すべてを収めています。パノラマのような画面は臨場感をもたらします。また、細部への描き込みも丁寧で、見る者に風景の特徴を詳細に伝えます。画面の左には石山寺から琵琶湖を眺める紫式部が描かれます。美しい景勝と、土地に伝わる故事を描いた作品です。