“もっと”愛でたい富士山

富士山はその神秘的なたたずまいから、古来信仰の対象や芸術の源泉として日本人に愛されてきました。平成25年(2013)にユネスコ世界遺産に登録され、今や世界の人々をも魅了しています。
平成29年(2017)に開催した企画展「愛でたい富士山」を再構成した本展では、歌川広重が手掛けた富士山を主題とする2つのシリーズ「不二三十六景」と「冨士三十六景」を中心に、約40点の浮世絵を出陳します。青空にそびえる富士山、雲を棚引かせた富士山、雪化粧の富士山など、さまざまな表情を見せる霊峰をお楽しみください。
年末年始休館:2024年12月26日(木)~2025年1月3日(金)

会 期2024年12月12日(木曜日)から2025年1月19日(日曜日)
休館日毎週月曜日(ただし1月13日は除く)、12月26日(木曜日)から1月3日(金曜日)まで年末年始休館、1月14日(火曜日)
(12月16・23・26~31日、1月1~3・6・14日)
場 所展示室1(1階)
開館時間午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料一般520円(440円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料)
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント■学芸員による作品ガイド
 日時:1月12日(日曜日)午前10時30分~(30分程度)
 場所:展示室1(1階)

■美術館ボランティア幽遊会による概要説明
 日時:随時(要事前予約)
広重が手掛けた二つの富士山シリーズ

嘉永5年(1852)に刊行された「不二三十六景」では、小さな画面内に明瞭な筆致で富士山を捉えています。一方、最晩年となる安政5年(1858)に刊行された「冨士三十六景」では、竪構図を用いて富士山と周辺の壮大な自然美を表現しています。広重が描いた両シリーズの違いにもご注目ください。

歌川広重「不二三十六景 東都隅田提」中山道広重美術館蔵
歌川広重「冨士三十六景 東都隅田提」中山道広重美術館蔵
江戸の中心で愛でたい富士山

現在の東京都心部では高層ビルが立ち並び、富士山を仰ぎ見ることは難しくなりました。しかし、江戸の名所を主題とする風景画には、西方にそびえる富士山が描き込まれています。人々の生活に溶け込み、江戸の街を見守るようにたたずむ富士山の雄姿をご覧ください。

不二三十六景 江戸橋日本橋
歌川広重「不二三十六景 東都江戸橋日本橋」中山道広重美術館蔵
初夢で愛でたい富士山
歌川広重「松に鷹」中山道広重美術館蔵
(田中コレクション)

「一富士二鷹三茄子」とは、新年最初に見る夢に現れると縁起がいいとされるものの順を表したことわざですが、江戸時代に生まれたといわれています。皆さまが縁起の良い初夢を見られますよう、「富士山」と「鷹」、そして「茄子」をモティーフとする作品も併せてご覧ください。