渓斎英泉・歌川広重 木曽海道六拾九次之内

渓斎英泉(1791-1848)と歌川広重(1797-1858)、二人の浮世絵師が木曽街道(中山道の異称)の自然豊かな風景や道中の人々を描いたシリーズ「木曽海道六拾九次之内」(天保6~9年(1835-38)頃)を、起点・日本橋から大津宿までそろいで出陳する年に一度の展覧会です。秋里籬島による名所地誌『木曽路名所図会』(文化2年(1805)刊)を読み解きながら、浮世絵を通した中山道の旅へご案内いたします。
さらに、「ふるさとえな応援寄付金」を賜り令和5年度に新規収蔵した、広重晩年の名作「木曽路之山川」(安政4年(1857)8月)を初公開いたします。

会 期2024年8月29日(木曜日)から9月29日(日曜日)
休館日毎週月曜日(ただし9月16日、23日は除く)、9月17・24日(共に火曜日)
(9月2・9・17・24日)
場 所展示室1、2(1、2階)
開館時間午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料大人820円(660円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料)
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント■学芸員による作品ガイド
 日時:2024年9月1日(日曜日) 午前10時30分~(40分程度)
 場所:展示室1、2(1、2階)
■美術館ボランティア幽遊会による概要説明
 日時:随時(要事前予約)
中山道を描いた浮世絵「木曽海道六拾九次之内」をそろいで公開

天保6~9年(1835-38)頃に出版された「木曽海道六拾九次之内」は、起点・日本橋と中山道69宿の各地を取り上げた風景画シリーズです。渓斎英泉が24図、歌川広重が47図(「中津川」の異版を含む)を手掛けており、結果的に合作となっています。本展では、「雨の中津川」を含む71図をそろいでご覧いただきます。

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 妻籠」
中山道広重美術館蔵(田中コレクション)
渓斎英泉「木曽街道 馬籠駅 峠ヨリ遠望之図」
中山道広重美術館蔵(田中コレクション)
江戸時代の中山道案内書『木曽路名所図会』を紹介

文化2年(1805)刊行の『木曽路名所図会』(全6巻7冊)は、京都の読本作者・秋里籬島が中山道の名所旧跡や神社仏閣、名産などを書き著した、挿絵入りの名所地誌です。京都の浮世絵師・西村中和と共に約3年かけて中山道を旅し、実地調査を行ったとされます。英泉と広重も「木曽海道六拾九次之内」の作画にあたり、本書の記述や挿絵を参照した可能性が指摘されています。

秋里籬島編/西村中和画『木曽路名所図会 一乾』
中山道広重美術館蔵(田中コレクション)
令和5年度新規収蔵品「木曽路之山川」を初公開

恵那市が実施する「ふるさとえな応援寄付金(ふるさと納税)」の応援プロジェクト「中山道広重美術館の浮世絵版画作品の拡充」(募集期間:令和3~4年度4月)へお寄せいただいた資金を活用し、令和5年度に歌川広重「木曽路之山川」を新規収蔵いたしました。大判3枚続の大画面に、馬籠峠から妻籠宿にかけての木曽の雪山が量感豊かに表現されています。空や水面には「雲母摺」の技法が施されており、雲母の粉によるキラキラとした光沢が確認できます。広重の晩年を代表する傑作を、本展にて初公開いたします。

歌川広重「木曽路之山川」中山道広重美術館蔵(令和5年度新規収蔵品)

「ふるさとえな応援寄付金」募集中
2024年2月より、恵那市の実施する「ふるさとえな応援寄付金(ふるさと納税)」の活用先に「中山道広重美術館を応援する」が登録されました。ご寄付の際に、希望する活用先として「中山道広重美術館を応援する」をご選択いただけます。募集期間は、2025年1月31日までの予定です。
当館へいただいた寄付金は作品購入資金として活用し、より充実した展覧会の開催と美術館運営に努めてまいります。
「ふるさとえな応援寄付金」の詳細やお申し込み方法につきましては、以下の恵那市ウェブサイトからご確認ください。
恵那市ウェブサイト|ふるさとえな応援寄付金制度
なお、本件に関するお問い合わせは、上記サイトに記載されている恵那市役所各担当課へお願い申し上げます。