年間スケジュール 2026-27

浮世絵版画は熱や光に弱いため、中山道広重美術館では常設展示を行っておりません。ほぼ毎月展示作品を入れ替え、年間を通じて企画展または特別企画展を開催しています。

※2025年10月時点の予定です。都合により、日程や内容を変更する場合がございます。

春季特別企画展 歌川広重 名所江戸百景 #浮世絵映えテクニック(仮)

歌川広重「名所江戸百景 深川万年橋」中山道広重美術館蔵

2026年4月2日(木曜日)から6月14日(日曜日)
【前期】4月2日(木曜日)から5月10日(日曜日
【後期】5月14日(木曜日)から6月14日(日曜日)

特別企画展観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

歌川広重が最晩年に手掛けた江戸名所絵シリーズ「名所江戸百景」は、タイトルに「百景」とあるものの、好評を博し118枚まで制作が続いた大ヒット商品です。広重の没後も弟子の二代広重(重宣)によって追加作品1枚、梅素亭玄魚によって目録1枚が制作され、合計120枚となりました。取り上げられた名所そのものの魅力もさることながら、現代でも人気の高いインパクトのある構図には、「写真映え」「SNS映え」ならぬ「浮世絵映え」のテクニックが駆使されています。
本展では、当館所蔵の「名所江戸百景」を9年ぶりに全点公開し、現代のスマートフォンのような縦長の画面における広重の創意工夫に迫ります。

企画展 浮世絵山海名所尽くし(仮)

歌川広重「山海見立相撲 摂津有馬山」中山道広重美術館蔵

2026年6月18日(木曜日)から8月23日(日曜日)
【前期】6月18日(木曜日)から7月20日(月曜日・祝日)
【後期】7月24日(金曜日)から8月23日(日曜日)

企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

東海道や江戸名所など、数々の名所風景画を生み出してきた歌川広重。江戸市中や街道筋のにぎわいはもちろん、臨場感のある構図と美しい彩色によって眼前に立ち上がる全国津々浦々の名勝に、人々は心躍らせたことでしょう。
本展では、山と海をテーマに、当時の旅人たちが目にしたであろう街道風景や霊峰富士の雄大な姿、あるいは海の恵みを描いた作品などをご紹介します。

特別展観 開館25周年記念 渓斎英泉・歌川広重 木曽海道六拾九次之内(仮)

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 大井」中山道広重美術館蔵

2026年8月27日(木曜日)から9月27日(日曜日)
特別企画展観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

中山道広重美術館を代表する浮世絵コレクション「木曽海道六拾九次之内」を、そろいで出陳する年に一度の展覧会です。本シリーズは宿場順に制作されておらず、渓斎英泉が24図を手掛けた後、作画を引き継いだ歌川広重が47図(「中津川」の異版を含む)を描き上げて完成しました。
開館25周年を記念する本展では、例年と大きく趣向を変え、本シリーズを作画時期ごとに展示いたします。英泉による起筆から広重による完結まで、江戸時代の人々が享受した当時の出版状況をご体感ください。

秋季特別企画展 生誕200年記念 二代広重―広重イズムの在処(ありか)―(仮)

二代歌川広重「諸国名所百景 日光 霧降の滝」中山道広重美術館蔵

2026年10月1日(木曜日)から12月6日(日曜日)
【前期】10月1日(木曜日)から11月3日(火曜日・祝日)
【後期】11月7日(土曜日)から12月6日(日曜日)

特別企画展観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

浮世絵風景画の第一人者として絶大な人気を誇った初代歌川広重。その没後に「広重」の号を継承したのは、門人の歌川重宣(1826-69)でした。安政6年(1859)に二代広重を襲名した重宣は、師の署名書体や画風を忠実に受け継いだ一方で、幕末明治にかけての激動の世相を反映し、師とは異なる画題や表現にも挑みました。
本展では、二代広重襲名後初の大規模シリーズ「諸国名所百景」を中心に、初代広重による「六十余州名所図会」との比較を通して、師の模倣には留まらない二代広重の独自性に注目します。さらに、「明治の広重」と称された小林清親の作品や「昭和の広重」と称された川瀬巴水の新版画もご紹介し、「広重」と呼ばれた絵師たちの作品における広重イズム――「広重らしさ」「広重っぽさ」の正体を探ります。

企画展 超定番!浮世絵東海道おすすめスポット(仮)

歌川広重「東海道五十三次之内 白須賀 汐見坂風景」中山道広重美術館蔵

2026年12月10日(木曜日)から2027年2月23日(火曜日・祝日)
【前期】12月10日(木曜日)から2027年1月17日(日曜日) 
【後期】1月21日(木曜日)から2月23日(火曜日・祝日)

企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

東海道は江戸と京都の二大都市を結ぶ主要な街道として、さまざまな人が行き交いました。海岸線に沿って続く道中では、風光明媚な景色や、その土地でしか味わえない名物を楽しむことができ、多くの旅人を魅了しました。
本展では、浮世絵師・歌川広重が東海道の見どころを余すところなく描いた通称「行書東海道」を中心に、現代にも通ずる旅人必見のおすすめスポットを巡ります。

企画展 浮世絵花らんまん(仮)

歌川広重「冨士三十六景 武蔵越かや在」中山道広重美術館蔵

2027年2月27日(土曜日)から3月28日(日曜日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

花見が庶民の娯楽として定着したのは18世紀前半のこと。江戸市中や郊外にはいくつもの花見の名所が誕生し、人々は春の風情を味わいました。また、「鑑賞用の花」への関心が高まり、キク、ボタン、ハナショウブ、アサガオなどが盛んに栽培・品種改良されました。約260年にわたる天下泰平が続いた江戸時代、花を愛でる文化は大きな発展を遂げました。
本展では、来たる春にふさわしい華やかな作品を展示すると共に、江戸っ子たちに親しまれた草花をご紹介します。花らんまんな浮世絵をご堪能ください。