浮世絵鑑賞のすすめ

今日、日本を代表する伝統的な文化・芸術の一つとして美術館や博物館で展示されている浮世絵。その多くは絵師・彫師・摺師の分業制で量産された多色摺木版画(錦絵)であり、江戸時代においてはメディア媒体に近いものでした。人気の歌舞伎役者を取り上げる「役者絵」や美しい着物をまとった女性を描く「美人画」は、現代のブロマイドやファッション雑誌といえるでしょう。
浮世絵は世相や流行に敏感な江戸っ子たちのニーズに応え、江戸時代の「今」を鮮明に伝えました。また、繊細な彫りや摺りの技術を駆使し、手に取って眺めるからこそ楽しめる工夫が施されています。本展では、浮世絵に表された多彩なジャンルを俯瞰しながら、鑑賞の楽しみ方をご紹介します。

会 期2024年7月25日(木曜日)から8月25日(日曜日)
休館日毎週月曜日(ただし8月12日は除く)、8月13日(火曜日)
(7月29日、8月5・13・19日)
場 所展示室1(1階)
開館時間午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料大人520円(440円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料)
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント■ミュージアムナイト
 日時:8月14日(水曜日)
 恵那駅周辺で開催される恵那納涼夏祭りにあわせ午後8時まで開館
(入館は午後7時30分まで)※終日観覧無料


■夏休み関連イベント
(1)「浮世絵クイズ」に挑戦してみよう!
 浮世絵の基礎知識や出品作品に関連したクイズを出題します。
(2)撮影スポットの設置
 出品作品(拡大図)を背景に自由に撮影できるスポットを設置します。
 場所:メーンラウンジ(1階)

■学芸員による作品ガイド
 日時:2024年8月11日(日曜日) 午前10時30分~(30分程度)
 場所:展示室1(1階)

■美術館ボランティア幽遊会による概要説明
 日時:随時(要事前予約)
あれもこれも「浮世絵」

浮世絵のジャンルには、人気歌舞伎役者を描いた「役者絵」、美しい女性を描いた「美人画」、歴史上の英傑を描いた「武者絵」、そして全国津々浦々の名所を描いた「名所絵」などがあります。また、情報収集や鑑賞用のみならず、実用的な錦絵であった「おもちゃ絵」も出品します。

歌川広重「風流江戸花」 中山道広重美術館蔵
作品からわかる情報を読み取ってみよう

画中の署名や印章から、その作品がいつ誰によって制作されたのかを知ることができます。また、人物の内面を引き立てる多彩な着物の柄や作品のテーマに紐づけられた標題枠の意匠など、絵師のアイディアが光るデザインをご紹介します。

歌川広重「六十余州名所図会 近江 琵琶湖 石山寺」
中山道広重美術館蔵(吉村コレクション)
木版の高度な技術に注目
歌川広重「(魚づくし くろだい こだいに山椒)」
中山道広重美術館蔵(田中コレクション)

浮世絵は版元により企画され、絵師、彫師、摺師という各部門の職人が分業体制で量産しました。本展では、絵師の作画だけではなく、彫師や摺師の高度な技術にも注目。髪の毛の一本一本まで表す繊細な彫りや作品に奥行きを与えるぼかし摺など、職人たちの巧技をお楽しみください。