過去の展覧会 2018年度

春季特別企画展 浮世絵諸国探訪-六十余州名所図会を中心に-

2018年4月5日(木曜日)から6月10日(日曜日)
 【前期】2018年4月5日(木曜日)から5月6日(日曜日)
 【後期】2018年5月10日(木曜日)から6月10日(日曜日)

特別企画展観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

《六十余州名所図会》は、晩年の歌川広重が日本全国をあますところなく描いた、70図にわたる浮世絵揃物の傑作です。広重は東海道や中山道などを題材にした街道物を多く制作しましたが、《六十余州名所図会》は広重の視野が全国規模に広がった、記念碑的な作品といえます。画面を縦型に用い、大胆なトリミングを施します。さまざまな工夫を凝らし迫力ある構図で、諸国の風景が描き出されています。この度、《六十余州名所図会》を中心に、広重が描く全国津々浦々の美しい風景画をお楽しみください。

企画展 花ふわり、月ひかり-広重描く春花秋月-

2018年6月14日(木曜日)から7月16日(月曜・祝日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

日本では季節によって気候が変化し、さまざまな花が咲いては散り、雨や雪が降ります。広重は見事な観察眼で、その移ろう季節や天候の変化の一瞬を切り取り、情感豊かな風景を描き出しました。特に構図の工夫や摺り表現を駆使し、平面の紙に風や香り、光さえも表現しようとしました。  
本展では、春の花と秋の月に限らず、四季折々の自然表現に主眼を置いてご覧いただきます。 版画は平面の紙に写し出された静止画です。しかし、作品の前に立ってじっくり見つめていると、さまざまな声、草木を薙ぐ風の音や花の香りさえ感じるでしょう。あなたの五感を使って広重が描く美しい名所絵の数々をお楽しみください。

企画展 思い出の江戸っ子アルバム

2018年7月20日(金曜日)から8月26日(日曜日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

歌川広重は風景画の浮世絵師として名高いですが、その観察眼を生かし、人物を描くことにも長けていました。広重の描く浮世絵には、江戸っ子の表情がまるでスナップ写真のように収められています。彼らが旅を楽しむ姿や美味しいものに舌鼓を打つ姿は、現代の私たちにも親しみ深く、ほほ笑ましく映ります。広重は今も昔も変わらない人々の営みを、浮世絵の中で生き生きと表していました。本展では広重の描く人物に注目し、彼らが江戸の生活を楽しむ姿を、アルバムをめくるようにのぞいてみたいと思います。

特別展観 木曽海道六拾九次之内

2018年8月30日(木曜日)から9月30日(日曜日)
特別展観観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

中山道広重美術館が世界に誇る《木曽海道六拾九次之内》(田中コレクション)をご覧いただく年に一度の機会です。渓斎英泉と歌川広重による揃物を全点展観します。貴重な“雨の中津川”をはじめ、初刷と後摺の摺りの違いもご覧いただきます。旧蔵者田中春雄氏が長い年月をかけて収集した優品をお楽しみください。

秋季特別企画展 北斎と広重

2018年10月4日(木曜日)から12月2日(日曜日)
 【前期】2018年10月4日(木曜日)から11月4日(日曜日)
 【後期】2018年11月8日(木曜日)から12月2日(日曜日)
特別企画展観覧料:一般820円(20名以上の団体は660円)

歌川広重没後160年を記念して、日本化薬株式会社元会長・原安三郎氏のコレクションから、葛飾北斎・歌川広重の貴重な木版画作品、肉筆作品を中心に公開します。同コレクションは、一人の収集家の所蔵品としては、まれに見る質と規模を誇ります。原氏が集めた版画作品の中には、初摺の中でも最初期に摺られたものも多く含まれていると考えられています。また、保存状態が極めて優れているため、たった今摺り上がったような鮮やかな色彩を目にすることができます。
本展では、北斎の代表作《冨嶽三十六景》や諸国の名瀑を描いた《諸国瀧廻り》、広重の三枚続揃物《雪月花》、肉筆画など、世界的にも有名な作品を数多くご覧いただきます。合わせて当館所蔵の《東海道五拾三次之内》(保永堂版)や《東海道》(隷書版)、《名所江戸百景》といった名品の数々も展示いたします。今秋、浮世絵風景画の二大巨頭、北斎と広重の描き出す美しい世界をお楽しみください。

企画展 広重とめぐるⅠ たかが道、されど道-山海道之記実見-

2018年12月6日(木曜日)から2019年1月20日(日曜日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

広重の描いた街道絵や名所絵を中心に、当時の旅の様子を探る展覧会シリーズ第1弾です。江戸時代、幕府は五街道を中心に街道整備に注力しました。当初は幕府の政治・軍事目的のため整備された街道ですが、時代が下るにつれ利用範囲は公用旅行者のみならず一般庶民にまで広がります。
本展では人々が行き交った「道」そのものにスポットを当て、東海道や中山道を描いた作品を中心に概観することで、当時の街道の姿に迫ります。

企画展 広重とめぐるⅡ 江戸時代 旅の手帖

2019年1月25日(木曜日)から2月25日(日曜日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

広重の描いた街道絵や名所絵を中心に、当時の旅の様子を探る展覧会シリーズの第2弾です。 旅の楽しみと言えば、今も昔もご当地グルメにフォトジェニックな観光スポット。東海道の鞠子から岡部の間の宇津ノ谷名物「十団子」や、名所として現在も多くの観光客が訪れる「箱根」、「近江八景」。伝統の技を受け継ぐ「有松絞り」など、旅人たちが道中楽しんだであろう名所・名物は、浮世絵にも多く描かれます。  
本展ではこれらに焦点を当て、自分でも訪れてみたくなる、思わずあっと声を上げてしまうような絶景を、浮世絵を通してご紹介します。

企画展 広重とめぐるⅢ 庶民だって旅がしたい!

2019年2月28日(木曜日)から3月31日(日曜日)
企画展観覧料:一般520円(20名以上の団体は420円)

庶民の間で「旅」が広がり始めたのは江戸時代中期頃のことです。世情が安定し、参勤交代の制度化により街道や宿場が整備されたことで、それまでより安全に長距離の移動ができるようになりました。特に移動が厳しく制限されていた農民や女性は、寺社参詣にかこつけて、観光や娯楽としての旅を楽しんだといいます。旅行の手引書も出版され、江戸時代後期はまさに庶民の間で旅行ブームが巻き起こった時代でした。  
当時の人々にとって旅とは何だったのか、そして空前の旅行ブームに支えられ、一躍人気絵師となった広重の風景画の魅力とは。本展では広重の描いた「庶民の旅」に迫ります。