中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

花は桜木-江戸っ子お花見事情-

展覧会の詳細

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 日本の春の風物詩、お花見。その起源は奈良時代とされていますが、当時は中国から伝来した梅の観賞が主流でした。国風文化が栄えた平安時代から、花見の「花」といえば日本古来の桜を指すようになります。桜の咲き散る姿を愛で、時には宴会を催す花見の文化は、畿内から地方、貴族から武士へと広まり、江戸時代には庶民にまで普及しました。江戸における花見ブームの仕掛け人は、8代将軍・徳川吉宗です。政策の一環で江戸の各地に植樹された桜木は、詩歌や地誌、浮世絵などに取り上げられ話題を集めると、春には大勢の花見客でにぎわう桜の名所に。江戸っ子たちはごちそうを重箱に詰め、晴れ着に身を包んで出かけていきました。
 本展では、浮世絵師・歌川広重による名所絵や版本『絵本江戸土産』から、江戸庶民の行楽地として人気を博したお花見スポットをご紹介します。来る春を待ちながら、一足早いお花見をお楽しみください。


会 期
2023年1月26日(木曜日)から2月26日(日曜日)
休館日:毎週月曜日、2/24(金)
場 所
展示室1(1階)
開館時間 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人520円(420円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週水曜日はフリーウエンズデー(観覧無料)
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント ■学芸員による作品ガイド
 日時:2023年2月5日(日) 午前10時30分~(30分程度)
 場所:展示室1(1階)
■解説ボランティア幽遊会による作品ガイド
 日時:随時(要事前予約)


今月の陳列棚

企画展「花は桜木-江戸っ子お花見事情-」より

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歌川広重「江戸近郊八景之内 小金井橋夕照」

大判錦絵 天保8~9年(1837-38)
当館蔵(田中コレクション)

 小金井橋が架かる玉川上水沿いの桜並木は、徳川吉宗の時代に新田開発の一環として植樹されたといわれています。江戸の中心部から7里半(約30㎞)ほどに位置しており、庶民は泊まりがけで花見の小旅行を楽しみました。広重は、江戸近郊の名所として夕暮れ時の小金井橋周辺を取り上げています。土手の床几には、美景を前にくつろぐ花見客たち。そこへ、赤い前掛けの女性が飲食物を運んできます。紅霞の向こうに見えるのは、白い富士山です。本図を手にした江戸っ子たちも、玉川上水の清流に優美な桜並木、富士の秀麗な山容を一挙に堪能できる景勝地に、好奇心をかき立てられたことでしょう。