中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

江戸から東京へ

展覧会の詳細

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 2020年度春季特別企画展では、「東京」という土地に焦点を当てた展覧会を開催します。
 慶長8年(1603)に幕府が開かれて以降、江戸は政治・経済の中心地として栄え、文化が花開きました。浮世絵が誕生したのも江戸時代です。江戸に生まれ、名所絵で人気を博した歌川広重も、同地を多彩な表現で描き出しました。晩年に手掛けた《名所江戸百景》では、約120もの場所を取り上げ、当時の江戸の様子をありありと伝えています。
 慶応4年(1868)、江戸は東京に改名され、同地は一層日本の中心としての役割を強めていきます。西洋文化が流入し景観が変化していく一方、古き良き江戸の風情も残されていました。井上安治の《東京真画名所図解》には、江戸から東京へと移り行く過渡期の様子が情緒豊かに描かれています。
 本展では、広重の《名所江戸百景》と共に、安治の《東京真画名所図解》など、東京を題材とした近代版画も併せてご覧いただきます。江戸から東京へ移り変わるさまを、浮世絵を通してお楽しみください。


会期
2020年4月2日(木曜日)から6月14日(日曜日)
 前期……4月2日(木曜日)から5月10日(日曜日)
 後期……5月14日(木曜日)から6月14日(日曜日)
休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(土・日・祝日を除く)
※5月7日(木)は祝翌日のため休館、
5月11日(月)・12日(火)・13日(水)は展示替えのため休館いたします。
〇4月29日(水・祝)~5月6日(水)は休まず開館いたします。
場所
展示室1・展示室2(1・2階)
開館時間 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人820円(660円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント □学芸員による作品ガイド
 日時:【前期】4月10日(金) 【後期】5月22日(金) 午前10時30分~(30分~1時間程度)
 場所:展示室1・展示室2(1・2階)


今月の陳列棚

春季特別企画展「江戸から東京へ」より

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歌川広重
「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」

大判錦絵 安政4年(1857)11月 
当館蔵(吉村コレクション)

 画題である亀戸梅屋敷は、現在も東京都江東区に存在します。幹や枝が画面から見切れるほど、大きく描かれた梅の木が印象的な作品です。このように近景と遠景をはっきりと描き分け、遠近感を強調するユニークな構図は近像型構図と呼ばれ、晩年の広重が好んで用いた手法でした。同地にあったこの梅は、龍が地を這うような形をしていたことから「臥龍梅」と呼ばれ、名木として江戸の人々に親しまれていました。画中の空の朱色と地面の緑色の対比は美しく、早春の暖かくなり始めた空気を演出しています。本図は、ゴッホが油彩画で模写したことでも広く知られています。