展覧会の詳細
歌川派三羽がらすといわれた広重・国芳・三代豊国(国貞)の3人の絵師は、それぞれ木曽街道(中山道の別名)をモティーフに作品を制作しました。そのうち三代豊国が手掛けた《木曽六十九駅》が2018年度、当館の新規収蔵品になりました。本揃物は、前景に役者、後景に木曽街道の宿場風景を描く構成で、人々は作品に隠された見立を楽しんでいました。
本展では、全71点揃いを初めて皆さまにご覧に入れます。三代豊国の描く、魅力的な名優たちと共に、木曽街道の美しい景色をお楽しみください。
会期 | 2020年2月28日(金曜日)から3月29日(日曜日) 休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(土・日・祝日を除く) |
場所 | 展示室1(1階) |
開館時間 | 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで) |
観覧料 | 大人510円(410円) ※( )内は20名以上の団体料金 ▲18歳以下無料 ▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料 ▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料) |
関連イベント | □学芸員による作品ガイド 日時: 場所:展示室1(1F) □解説ボランティア幽遊会による作品ガイド 日時:随時(要事前予約) |
企画展「役者とめぐる木曽街道-木曽六十九駅お披露目-」より
三代歌川豊国
「木曽六十九駅 東都日本橋 御祭ノ踊 時致」
嘉永5年(1852)10月 大判錦絵
中山道広重美術館蔵
嘉永5年(1852、本揃物刊行年)、日本橋地区における山王権現大祭の際に登場した曽我五郎時致を、五代市川海老蔵見立てで描いています。標題周りにあしらわれた逆沢潟のよろいなどから、「草摺引」と呼ばれる曽我兄弟の物語を扱っていることが推測されます。本図の五郎は、毛をいくつかに分けて束ねた車びんのかつらに浮線蝶の着物を身に着け、見得を切る勇ましい様子で描かれています。