中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

水と共に生きる

展覧会の詳細

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 江戸は「水の都」と言われるほど、水とは切っても切れない関係にありました。江戸開幕以来、それまでは地方の一城下町に過ぎなかった江戸の町は徐々に人口が増加し始め、飲料水の不足が深刻化していきます。そこで家康は町に上水道を整備するよう命じ、特に神田上水と玉川上水は江戸時代を通じて利用されました。また、水の都と言われるゆえんはそれだけではありません。19世紀、江戸の人口は100万人を越え、世界有数の大都市として栄えていましたが、人々の生活を支えるには大量の物資が必要でした。物資輸送で活躍したのは舟運です。全国から集まった産物は、内陸まで張り巡らされた水路網によって江戸の各地に運ばれました。100万都市・江戸を支えたのは、まさに水の力だったのです。
 本展では、浮世絵に描かれた水辺の風景や水中の生き物、また、広重が捉えた水と共に暮らす人々の生活をご覧いただきます。


会期 2019年7月19日(金曜日)から8月18日(日)

休館日:毎週月曜日(祝日を除く)、祝日の翌日(土・日・祝日を除く)

場所
展示室1(1階)
開館時間 午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人510円(410円) ※(  )内は20名以上の団体料金
▲18歳以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名まで無料
▲毎週金曜日はフリーフライデー(観覧無料)
関連イベント □学芸員による作品ガイド
 日時:8月4日(日) 午前10時30分~(30分程度)
 場所:展示室1(1F)
□浴衣で涼む美術館
 日時:8月14日(水) 午前9時30分~午後8時(入館・写真受付は午後7時30分まで)
 ・夜間特別開館、観覧無料
 ・当日浴衣でご来館の方には浮世絵(拡大図)を背景に記念撮影した写真をプレゼント
□解説ボランティア幽遊会による作品ガイド
 日時:随時(要事前予約)


企画展「水と共に生きる」より

今月の陳列棚

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歌川広重
「魚づくし さば、かざみがにに朝顔」

大判錦絵 天保年間(1830-44)後期 
中山道広重美術館蔵(田中コレクション)

 夏の季語であるサバ、ガザミ、朝顔の組み合わせです。サバは鮮やかな藍で彩色され、背中の複雑なしま模様も丁寧に描かれています。ガザミ(ワタリガニ)は江戸前でよく取れたカニで、当時はお世辞にも高級食材とは言えなかったようですが、江戸庶民の味として親しまれていました。朝顔の明るい色合いが画面に花を添えます。