中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

美しき東海道-「隷書版」お披露目-

展覧会の詳細

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 歌川広重は、東海道をテーマとする錦絵揃物を多数制作しました。その数は20種類以上に及びますが、そのうち「隷書版」と通称される人気の高い作品が平成27年度、当館新規収蔵品になりました。このたび、初めてのお披露目となります。広重が50代の時手掛けた揃物で、洗練された描写や繊細な色使いが見所です。《東海道五拾三次之内》(保永堂版)に見られるような、勢いある街道絵のイメージが一般によく知られますが、本展では広重の別の一面を知ることができるでしょう。味わい深く豊かな表現世界を、じっくりご堪能ください。


会期 2017年2月16日(木)~2017年3月26(日)
休館日:毎週月曜日(ただし20日は開館)、3/21(火)
場所
展示室1(1F)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 大人510円(410円) ※( )内は20名以上の団体料金
▲高校生以下無料
▲障がい者手帳をお持ちの方はご本人に限り無料


今月の陳列棚

企画展「美しき東海道-「隷書版」お披露目-」より

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歌川広重(うたがわひろしげ)
「東海道 五十一 五十三次 水口」
大判錦絵 弘化4~嘉永5年(1847-1852)頃
中山道広重美術館蔵

「東海道 五十一 水口」

 宿場近くの山道を、荷を背負った牛が引かれて行きます。山々には黄と青緑の淡いぼかしがほどこされ、立体的な存在感が表現されます。色彩は水彩画のような透明感を持ち、爽やかな空気まで感じさせるようです。また繊細な描線や雲の描き方などは、広重が西洋絵画に関心を寄せていたことをうかがわせます。独自の様式を完成させ、自然景の美しさを描き出すことを意識していた、この時代の広重らしさがよく表れた一枚です。