中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

エミール・ガレ 「草花文ランプ」

エミール・ガレ 「草花文ランプ」

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エミール・ガレ 「草花文ランプ」
ガラス 1918-31年

作品解説

ガレ(1846-1904)は、アール・ヌーヴォーを代表するフランスのガラス工芸作家です。ガラス工芸の技法を習得するため、ドイツに2度留学、さらにロンドン、パリ、リヨンなどの地で修行を重ねました。1872年に工房を構え、1889年のパリ万博ではガラス部門でグランプリを受賞。ガレは若い頃から古典に精通し、植物や昆虫などにも高い関心を持っていました。留学中であった日本画家の高島北海(1850-1931)との交流を通じてジャポニスムに触れ、ガレは自身の作品に日本の美意識を取り込んで独自の様式を完成させました。被せガラス、エナメル彩ガラス、エッチングなどの精密な技法を駆使し、ガラス工芸を優れた芸術作品として確立させたのです。吉村トシ子氏旧蔵の本作の表面には、繊細な菊の花がめぐらされており、ガレ工房の典型的なスタイルを示します。