中山道広重美術館 Hiroshige Museum of Art, Ena

歌川広重 「国尽張交図会 北陸道七ヶ国 若狭/越前/加賀/能登」

歌川広重「国尽張交図会 北陸道七ヶ国 若狭/越前/加賀/能登」

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歌川広重
「国尽張交図会 北陸道七ヶ国 若狭/越前/加賀/能登」
大判錦絵 嘉永5年(1852)

作品解説

書画や扇面、短冊などを屏風の一面に貼ったものを「張(貼)交屏風」といいます。これに倣い浮世絵では画面を大小さまざまな形に区切り、1枚の紙の中に複数の絵を収める「張交図会」と呼ばれる形式の作品が描かれました。特に、広重はこの形式を用いた錦絵を多数制作しています。《国尽張交図会》は、全国の名物や土地にまつわる故事を張交形式で描いたシリーズです。本図は五畿七道のひとつ、北陸道に属した国を取り上げています。

「若狭鰈を製ス」 現在の福井県西部。干しガレイは若狭湾の名産です。
「越前 雲丹取」 現在の石川県・福井県北部。越前のウニは粘りがあり良品とされました。
「能登 輪島日和山」 現在の石川県東部。日和山から九十九湾を望みます。
「加賀 弁慶勧進帳」 現在の石川県。能の『安宅』、それを翻案した歌舞伎の『勧進帳』の舞台である安宅関は、加賀国にありました。山伏になりすまして白紙の勧進帳を読み上げる弁慶が描かれます。